TOEIC IPは公式スコアとして使用できるのか
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対象レベル
・ TOEICの受験を考えている人
・ TOEICとTOEIC IPの違いを知りたい人
1. TOEICとTOEIC IPテストの違い
1.1. 運営者が異なる
1.2. 問題の作り方が異なる
1.3. 開催場所・開催回数が異なる
1.4. 受験料が異なる
1.5. テスト結果の確認方法が異なる
2. TOEIC IPは簡単か
3. TOEIC IPは公式スコアとして使えるか
1. TOEICとTOEIC IPテストの違い
法人や学校などが団体でTOEICを受験させたい場合、その方法には大きく2種類存在します。それは、「公開テスト団体一括受験申込」と「団体特別受験制度」です。
公開テスト団体一括受験申込とは、通常のTOEIC試験を団体の人数分一括で申し込むもので、個人で受験するものとなんら変わりません。一方で、団体特別受験制度はTOEIC IPテストと呼ばれ、個人で受験するTOEICとは異なる点があります。
まずは、TOEICとTOEIC IPテストの違いについてご説明します。
1.1. 運営者が異なる
TOEICとTOEIC IPテストでは試験を運営する人が違います。TOEICはETSの主催によりTOEICの運営委員会によって開催されます。一方、TOEIC IPテストは、法人や学校などがETSに対してTOEICの試験を開催したいという申し込みによって始まります。
申し込みが行われると法人や学校にはTOEICの問題が送付され、それを使って法人や学校側が試験の開催、運営までを実施するのです。
上記の違いにより、TOEICはTOEICの運営委員会によって正しいマニュアル通り試験が実施されますが、TOEIC IPの場合、法人や学校側の運営方法によっては完全にマニュアル通りではないケースもあるようです。インターネットで調べてみると、試験中に試験管がいなくなたったり、試験時間が間違っていたりと、よくない噂もあるようですね。
1.2. 問題の作り方が異なる
TOEICとTOEIC IPテストでは問題の作り方に差異があります。TOEICの場合、問題の素案作成→テストアセンブル→レビュー→センシティビティレビューという行程を経て、試験ごとに毎回新たな問題が作成されます。ちなみに、TOEICの問題が作成される方法については下記を参照。
一方、TOEIC IPテストは過去に出題されたTOEICの中からどれか一つが抽出され、その問題が丸々出題されます。つまり過去問ということですね。
そのため、奇跡的に過去に解いたことがある問題が出題される確率がゼロとは言えませんが、膨大な数の試験が開催されていますから長年に渡って膨大な数のTOEICを受け続けている超人以外はありえないでしょう。
1.3. 開催場所・開催回数が異なる
TOEICとTOEIC IPテストでは試験の開催場所・回数に差異があります。TOEICは年に10回、指定された都市・会場で開催されます。一方でTOEIC IPの場合、法人や学校側が申し込めば開催できますので、法人や学校側が開催していれば様々な時期に色々な場所で試験を受験できます。
TOEIC IPを受験できる会場としては、資格教室や語学スクール、大学などがありますので、問い合わせをして確認すれば一般の人でも受験をできる可能性があります。大学生の場合には大学生協でTOEIC IPを受験することが出来ます。
1.4. 受験料が異なる
TOEICとTOEIC IPテストでは試験の受験料に差異があります。TOEICは受験料が5727円ですが、TOEIC IPの場合は4155円で済みます。TOEIC IPの場合、運営が法人や学校側に任されているのと試験が過去問であるため、多少安い値段となっています。TOEICを何回も受験している人にとっては1500円近く安く済みますので大変おすすめです。個人的には単なる過去問なんですからもうちょっと安くても良いのではと思ったりします。
1.5. テスト結果の確認方法が異なる
TOEICとTOEIC IPテストでは試験結果の確認方法に差異があります。TOEICの場合、成績一覧表の他に、写真と署名が入ったTOEIC公式認定証が送られます。一方、TOEIC IPの場合は成績一覧表のみ送られ、TOEIC公式認定証はもらえません。
また、TOEICの場合は試験日から30日程で試験結果が発表されますが、TOEIC IPの場合は1週間程で試験結果が発表されます。そのため、待つことが苦手な早く結果を確認したい人はTOEIC IPを受けると良いでしょう。
2. TOEIC IPは簡単か
TOEIC IPはTOEICと比較して簡単だという意見があります。TOEICは結構前から難化しています。書店ではこんな教材が販売されているほどです。
難化している理由は色々言われていますが、TOEIC対策の教材やセミナーが多数販売されるようになり、受験者全体の正答率が高くなったことが挙げられます。
特に、韓国におけるTOEIC事情は日本とは少し異なります。韓国では15歳~29歳の若年層の就職率が年々低下しており、就職するために(生きていくために)死にもの狂いで就活に臨みます。そして、サムスンを始めとする一部のグローバル企業がGDPの大部分を占めており、そのような企業に就職するためには英語が出来ることが必須条件となってきます。実際、サムスンの新入社員のTOEICスコアは900点とも言われています。
こういった事情から、TOEICに対するやる気が異常に高いです。最近では携帯でTOEICの問題の画像を撮り、その答えを共犯者に教えてもらうという集団カンニング事件も多発しているほどです。やる気の高さに比例して、TOEICの平均スコアは日本と比較して100点近く高くなっています。
その結果、受験者の正答率が上がり、それに合わせて問題の難しさも多少スライドさせていると思われます。TOEIC IPは数年前に出題された問題の過去問が出題されますので、難化したTOEIC公式テストと比較すると簡単に思えるわけです。
3. TOEIC IPは公式スコアとして使えるか
これまでTOEICとTOEIC IPには様々な差異があることを述べましたが、TOEIC IPは公式スコアとして使用できるのでしょうか?その答えは、Yesです。
まず、何を公式スコアとみなすかですが、TOEIC公式認定証があることを公式スコアとみなすのであれば、もちろんTOEIC IPは公式ではありません。
しかし、就職活動や昇進、大学の成績等で使用できるかという意味では、TOEIC IPでも問題なく使用できます。そういう意味で「公式スコア」なのです。
TOEICの公式サイトを見ても、「どちらのテストを受験してもスコアの有効性に違いはありません。」という文言が明確に書かれています。
なので、TOEIC IPは認めないと明確に書かれている場合やTOEIC公式認定証の送付が必要な場合などを除き、一般的にはTOEIC IPも公式スコアとして使用できるのです。
受験料も安いので、試験慣れするためにも積極的に活用すると良いでしょう。