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映画字幕翻訳の難しさと問題点について

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産経新聞のニュースで映画字幕翻訳に関する興味深い記事がありましたので紹介します。なお、ニュースの全文はこちらからご覧ください。

この記事では、映画字幕翻訳者として非常に有名な戸田奈津子さんが、映画字幕翻訳の難しさを語っています。

映画会社からは「字幕の漢字をひらがなにしろ」と言われるんですよ。例えば「拉致(らち)」。「ら致」じゃ重みがない。素晴らしい言葉は漢字だからこそ素晴らしいんです。「安堵(あんど)」が難しいから「安心」に変えてくれと言われたこともありました。でも2つは似て非なるもの。その違いが無視されたんです。

理想的な字幕は、観客に字を読んだという意識が何も残らない字幕なんです。画面の人が日本語をしゃべっていたと錯覚を起こすくらい「透明な字幕」が一番いいんです。

映画の字幕を作るときにこのような葛藤があったなんて知りませんでした。確かに映画の字幕には表示できる文字数に限りがあります。スクリーンに表示できる幅や画面の描写が変わる前に読むことができる文字量でなければ、字幕として成り立ちません。そういう意味で、戸田奈津子さんの言う「透明な字幕」が理想だと思います。

しかし、そういった制約がある以上、字幕を作るときにどうしても作品の意図が変わってしまうこともありえます。作品の意図を正確に日本語で表現しようとすると意に反して文字数が多くなってしまう場合や、通常の人では知らないような専門用語が映画の中で使われていた場合、意訳するしかないからです。

戸田奈津子さんは映画字幕翻訳家の清水俊二さんに師事して映画字幕の仕事をするようになりました。清水俊二さんは、生涯におよそ2,000本近くの翻訳を行い、映画翻訳家協会を設立するなど、日本の映画字幕の立役者であります。

そんな彼でさえ、映画字幕の難しさや限界について著書「映画字幕は翻訳ではない」の中で語っています。

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映画字幕ができるようになるためには、単に英語ができるだけでは足りません。単に英語を翻訳することとは訳が違うということです。上記で話したような文字数や漢字の制約がある中、映画の背景や微妙なニュアンスを損なわず、それでいて読み手全員の知識レベルを想定した日本語を選ばなくてはなりません。

そういった難しさを象徴するかのように、戸田奈津子さんの字幕翻訳には批判もあります。中には、意訳を通り越して完全に誤訳としか言えないものもあるようです。映画「ロード・オブ・ザ・リング」の翻訳に関してはあまりに問題が多く、批判が殺到したという事件もありました。

普段、映画を見るときは全く意識していませんでしたが、字幕翻訳という仕事は相当難しそうですね。映画の観客者が字幕の間違いを指摘することは簡単ですが、それは字幕を作る側だけの問題ではなく、読み手側の知識や日本語のレベルも要求されてきます。こういった翻訳者の葛藤を知りながら映画字幕を見ると、見方が変わるかもしれません。

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