TOEICで900点を取れない人の3つの誤解
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対象レベル
・ TOEICで900点を目指して勉強している人
・ なかなかTOEICで900点を取れない人
1. TOEICにおける誤解
2. TOEICと学校の成績の関係
3. TOEICと理系の関係
3.1. 理系でもTOEIC900点を取れる
3.2. なぜ留学経験がある人のスコアが低いのか
4. TOEICとビジネス知識の関係
4.1. TOEICでビジネスの知識は必須ではない
4.2. 英単語の意味を調べる
5. まとめ
1. TOEICにおける誤解
TOEICの勉強を頑張っている人の話を聞くとよく誤解をしていることがあります。そして、もったいないことに、その誤解のせいで、間違った勉強法を選択していたり、ときには最初からTOEICで900点を取ることをあきらめていることがあります。そこで、今回はTOEICに関する誤解について説明していきます。
2. TOEICと学校の成績の関係
まず一つ目の誤解は、学校の成績がよくないとTOEICで高いスコアを取ることは難しいということです。そのため、学校の成績がよくない人は、最初からTOEICで900点を目指すことをあきらめ、700点や800点で妥協していることがあります。学校における英語の授業は、主に英文法の理解に重点が置かれています。私たちは、中学から高校までひたすら文法について教わります。中学から大学卒業までと仮定すると、合計10年間も英文法の勉強をしているわけです。
そして、大学受験になると非常に難解な文法問題が出題されます。大学受験では単純に文法を問う問題も多いですが、長文問題においても文章を正しく理解しているかではなく、結局は文章中で文法の知識を発揮できるかが問われていることが多いです。
なぜそこまでして文法の知識を問う問題ばかりを出題するのか?
その答えは、大学側が成績の優秀な学生を取りたいからです。学校では文科省が定めた指導要領に基づき、英語の授業は文法の理解度を高める内容が大部分を占めます。そのため、成績が優秀な学生とは「文法の理解度が深い学生」を指します。その結果、大学側の試験内容も文法の理解度をはかる試験になります。
一方で、TOEICは文法の理解度をはかる試験ではありません。TOEICは世界各地で実施されているグローバルな試験制度であるため、もちろん日本の授業内容とは関係ありません。
実際に試験問題を見ると、純粋な文法問題も一部ありますが、リーディング問題の大半は英語の文章を正しく理解できるかが問われています。リーディングのPart5とPart6に関しても文法問題というよりは単語の意味が問われていることが多いです。
つまり、学校の成績が悪くてもTOEICで900点は取れるのです。事実、私は偏差値50程度の3流大学に通いながら、TOEICで920点が取れました。
3. TOEICと理系の関係
以前、友人から「理系なのにTOEICで900点を取れるなんてすごいね」と言われたことがあります。この言葉の裏には、一般的に「理系=英語が苦手」という思い込みが隠れています。そんな私も、化学を専攻する生粋の理系でしたから、TOEICの勉強を始めてから920点というスコアが書かれたスコアシートを手にしたその日まで、自分は英語が苦手だという意識を持ち続けていました。
そんな私がラッキーだったのは、理系だからきっとTOEICで高得点は取れないだろうという先入観をあまり持たなかったことです。
もし、理系だから自分にはむりと最初からあきらめていたら、TOEICで900点を取ることもなかっただろうし、就活で内定を10社近くもらうこともなかったと思います。
3.1. 理系でもTOEIC900点を取れる
私が言いたいことは、TOEICで高得点が取れるか否かに関して、理系、文系というくくりは関係ないということです。第一、理系や文系というくくりは、大学受験のために無理矢理分けられたようなものであり、日本の教育を受けていれば理系であっても文系科目は平均的に解くことができます。
帰国子女や留学経験のある人が、英語が得意という理由で文系になるケースがよくありますが、その場合は文系だから英語ができるのではなく、英語ができるから文系になっただけです。
確かに文系の場合、大学受験で英語の点数が占める比率が高かったり、大学生になってから英語を使う授業の割合が理系よりは多いかもしれません。そのため、英語が苦手な人が文系になる、もしくは文系を目指すことによって、英語ができるようになることがあるかもしれません。
しかし、TOEICは大学受験や授業で学ぶ英語とは大きく異なります。帰国子女や海外留学経験がある人がTOEICで700点とか800点程度しか取れなかったという話はよく聞きます。
3.2. なぜ留学経験がある人のスコアが低いのか
なぜそんなことが起きるのかと言いますと、TOEICが「資格試験」だからです。TOEICは全世界で実施されている資格試験である以上、スコアは信頼できるものでなくてはいけません。
そのため、毎回出題される問題の形式が変わったり、出てくる英単語のレベルが変わることは許されません。もしそれらが流動的に変わってしまったら、英語の能力は変わっていなくても、受験する回によってスコアが上下することになってしまいます。
だからこそ、同じような問題が出ることもありますし、試験の形式も一定です。そのため、どれだけ勉強したか、もしくは問題に慣れたかによってスコアが大きく変わります。例えば、リスニングパートで問題文を先読みするやり方を習得してしまえば、正答率を上げることが可能です。
私の感覚だと、現在TOEICで600点くらいの人は、模擬試験を何度も解いて試験の形式に慣れるだけで100点近くは上がると思います。
つまり、TOEICは努力した分だけスコアが上がる試験であり、そこに文系、理系というくくりは関係ありません。誰でも等しく900点を取れる可能性を持っているのです。
一番もったいないことは、理系だからTOEIC900点は取れないと何もせずにあきらめてしまうことです。
4. TOEICとビジネス知識の関係
TOEICはビジネス英語の知識が問われる試験です。出題される英単語や会話はビジネスに関係するものが多く出題されます。それでは、TOEICで高得点を取るためにはビジネスの知識が必要なのでしょうか?4.1. TOEICでビジネスの知識は必須ではない
TOEICの公式サイトを見ると、「TOEICとは英語によるコミュニケーション能力を幅広く評価する世界共通のテストです。身近な内容からビジネスまで幅広くどれだけ英語でコミュニケーションできるかということを測ります。」と記載されており、ビジネスシーンに限定した英語の試験であることは明記されていないようです。しかし、実際に試験問題に目を通すと、ショップや空港、会議などビジネスシーンに関する英文が頻出します。
では、TOEICで900点を取るためには、ビジネスに関する知識が必要なのでしょうか?別の言い方をすれば、社会人でなければTOEICで高得点を取ることは難しいのでしょうか?
それに対する答えは、「否」です。
TOEICではビジネスに関する知識がなくても高いスコアを取ることは十分可能です。現に私はビジネスの「ビ」の字も知らない大学生時代にTOEICで920点を取っています。
TOEICに出てくる英文は確かにビジネスシーンの一部を抜き出したものですが、その大部分は汎用的な内容であり、ビジネスの専門知識がなくても容易に想像・理解できるものになっています。
ちょっと考えればそれって当たり前ですよね?TOEICに出題される英語の内容が専門的なビジネスの内容だったら、それはビジネス知識の試験であって、英語の能力を正確に測ることはできません。
だから、まだビジネスの知識が全くない大学生であっても安心してください。TOEICで900点を取るために、ビジネスの知識は必須ではありませんし、社会人になってから受けようとは絶対に考えないでください。また、TOEICのためにビジネス系の本で勉強することは非常に遠回りです。
4.2. 英単語の意味を調べる
しかし、1つだけ私がやっていて良かったことがありますのでご紹介しておきます。それは、TOEICの英単語帳を使って英単語を覚えるときに、知らない意味の日本語が出てきたら辞書で調べるということです。
例えば、merger = 合併 という英語が出たとき、ただ訳し方を覚えている場合、長文の中でこの単語が出てきたときに「合併」と訳すことはできるけど意味は分からないという状況になります。それでは長文の内容を理解することはできず、問題を解くことはできません。
そこで、英単語を覚えるときに知らない日本語が出てきたら、辞書やインターネットを利用して簡単に意味を調べます。先ほどの「合併」を例にすると、「複数の組織や会社が1つになること」という意味を調べて理解します。
たったこれだけです。ビジネス関連の書籍を読み込む必要はありません。ただ英単語を覚えるときに知らない意味の日本語が出たら調べて覚えるだけです。これだけで全然違います。是非実践してみてください。
5. まとめ
以上でTOEICに関する3つの誤解を説明してきました。毎日TOEICの勉強を頑張っているのに、ちょっとした誤解から高いスコアが取れなくなるのは非常にもったないことです。TOEICに関する情報量が少なかったり、情報源が偏っていると、誤解してしまうことがよくあります。
重要なことは、幅広い人や媒体から知識を吸収し、何事も一度疑ってみることが大切です。一度疑うことで別の角度から物事を眺めることができ、誤解するケースが少なくなるでしょう。