リスニングパワー【購入レビュー】
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対象レベル
・ TOEICや英検でハイスコアを目指している人
・ リスニング力を向上させたいと考えている人
1. 忘れがちな教材選びの重要性
2. 信頼性の低い口コミと英語教材への過剰な期待
3. リスニングパワーの概要
3.1. リスニングパワーとは
3.2. リスニングパワーの構成要素
3.3. リスニングパワーのCDとテキスト
3.4. ボキャパワーのCDとテキスト
3.5. ナチュラルスピード
3.6. スコット先生の英会話LIVE
3.7. レベッカ先生のエブリディ英会話
3.8. スコット先生の30日間メールサポート
4. リスニングパワーの使い方
4.1. リスニング学習における周波数
4.2. リスニングパワーを使ってみた感想
4.3. リスニングパワーの活用方法
5. 料金について
6. まとめ
1. 忘れがちな教材選びの重要性
当サイトで何度も説明しているように、英語の能力を上達させることが出来るか否かは、どんな英語教材を使用するかによって大きく左右されます。しかし、一見誰にとっても当たり前のように思えるこのことが、いざ自分について考えてみると忘れてしまっているケースがあります。当サイトを訪問している人の中には、「TOEIC 勉強時間」や「英検 勉強時間」といったキーワードで検索している人が多いですし、知人と英語の話題になれば「どれ位勉強すれば合格できるの?」といった展開になりがちです。人間誰しも、ある程度は将来を予想して行動を選択します。分かりやすいように極端な事例を挙げるとすれば、英検1級に合格するまでに勉強時間が1万時間必要であると分かったら、挑戦しようと考える人は少ないでしょう。
リスクを回避するためにも勉強時間を気にすることは大切になるのですが、そればかりに気を取られ過ぎることも問題です。当サイトでも勉強時間について説明していることはありますが、それは私が実践した勉強法を採用し、同じ英語教材を使った場合の目安です。もしも、効果の低い教材を選んでしまい、それを使って何百時間勉強したとしても、一向に英語力が上達しないことだって考えられるのです。
そのことを認識せずに、誰かに聞いた勉強時間をただ「消化」するために、日々の勉強を漫然と繰り返している人は注意が必要です。そのような人は、現在使っている英語教材によって効果が出ていそうなのか、定期的に検討してみることが重要です。数週間、数か月使ってみても全く上達していないと感じるならば、すぱっと諦めて別の教材を試すことも一つの手です。そして、本来であれば、英語の教材を使い始める前に、自分が思っているよりも少し長く教材選びに時間をかけてみるべきなのです。なぜなら、安易に教材を選んでしまえば、それによって後々大幅な時間のロスを招く危険性があるからです。大幅な時間のロスというリスクを考慮すれば、教材選びに費やした数時間は短いものです。
有難いことに、TOEICや英検を勉強している多数の人に当サイトを訪問して頂けるようになりました。その結果、私が紹介している英語教材を使って勉強を頑張っている人も増えてきていると考えています。そこで、少しでも英語教材選びの参考になるように、私が使っている英語教材についてレビューしていこうと思います。
2. 信頼性の低い口コミと英語教材への過剰な期待
ITが発達し、個人が第三者へ向けて情報を発信する行為に対する敷居が下がりました。それにより、インターネット上には英語の教材に関する口コミが溢れています。ただし、「これを使ってリスニング力が劇的に上がりました」と書いてあるものから、「全く役に立たない」と批判的に書いてあるものまで180度異なる意見が散見されるので、どれを信じて良いのやら迷ってしまうことがあります。英語の教材は使う人との相性もありますから、いかに万人受けする優良な教材だったとしても、たまたまそれに合わなかった、もしくは正しく使いこなせなかった人がインターネット上で「役に立たない」と口コミすることもありえますし、また逆も然りです。正直、どれを信じるべきかどうかは難しいところがありますが、ポイントとしては、その口コミ以外の記事や発言を読むことが大事だと思います。その口コミの発言者が普段書いている勉強法などに自分が全く共感できないのであれば、いくらその人が教材を良いと言っていたとしても無視した方が良いと思います。逆に、「この人の勉強法は参考になるな」と思える人に出会ったのであれば、その人の口コミを信頼することが大切です。
また、「これを使っただけでスラスラ英語が聞き取れるようになりました」といったように、一つの教材についてメリットばかりを強調し過ぎている場合も注意が必要です。英語学習に本気で取り組んでいる人にとって、一つの英語教材だけを数週間や数か月間使い続けることは通常まずありえません。例えば、あるリスニング教材Aがあったとしても、その教材「だけ」を使ってずっと勉強し続けることは考えにくく、普通であれば同時並行で単語を覚えたり、別の教材を使ってシャドーイングをしたりと、複数の勉強法を実行しているはずです。
もしかしたら、単語を暗記したことによってリスニング力が上達した可能性もあるのに、あたかもリスニング教材Aを使って劇的に英語力が向上したかのように表現することは信用度に欠けます。そして、そのようなメリットを読んで過剰に期待を持つことも危険です。教材選びは大変重要ですが、教材だけが英語力を上達させる条件かと言えばそれもまた異なるからです。
これまで話してきた内容は重要なことなので、最後に簡潔にまとめます。
・自分が共感できる発言をしている人の口コミを参考にする
・メリットばかりを強調し過ぎている口コミは参考にしない
・魔法のような英語教材は存在せず、過剰な期待を持たない
3. リスニングパワーの概要
教材選びの重要性やポイントの説明は以上にして、ここからは教材のレビューに入ります。今回は、私がTOEICで900点を取り、英検1級に合格する際に使った「リスニングパワー」という教材について解説していきます。実際に教材を購入して使ってみた感想を出来る限り詳細に書いていくつもりです。また、インターネットに溢れる様々な口コミに惑わされないためにも、この記事だけで「リスニングパワー」を使うか否か意思決定ができるくらいに、丁寧にレビューを書くことを心がけたいと思います。特に以下の点に注意してレビューをしていきます。
・公式HPには書かれていないことをなるべく記載する
⇒公式HPに記載されていることを繰り返しても意味がない。教材を購入しないと分からない情報や使用した感想に重点を置く。
・良い点も悪い点も正直に書く
⇒どちらか一方に偏り過ぎないように気をつける。幅広い観点の情報を提供して判断材料を増やす。
なお、ページの下部に公式HPのリンクを掲載しておきますので、レビューと同時に見て頂けますとより理解が深まると思います。
3.1. リスニングパワーとは
リスニングパワーとは、アメリカ人言語学者である「スコットペリー」氏が作ったリスニング教材です。楽天市場の英語教材ランキングで1位を獲得したこともある人気教材なので、聞いたことがある人もいるかもしれません。上記は楽天市場の購入レビューですが、合計で約1,800件の口コミが投稿されており、星3つ以上の高評価が大部分を占めています。
スコットペリー氏は、ネイティブ英語の発音に関する世界的権威で、数多くの有名企業や日本人に発音のコーチングを行ってきました。英語の発音指導を行った企業の例としては、トヨタや日立、ホンダやサントリーなどがあります。また、ハリウッド映画で活躍している数多くの日本人俳優にも発音のコーチを経験しており、中村獅童さんや菊地凛子さん、柴咲コウさんなども彼の指導を受けたそうです。
リスニングパワーには数種類のテキストやCDが付属されていてボリュームも多く、公式HPを読んでも何を目的として作られた教材なのかイマイチ理解しにくいのですが、リスニングパワーの狙いは以下の2点に集約されると思います。
・英語の周波数に近い音を繰り返し聞くことで、リスニング能力を高める
・ネイティブ英語の発音を本格的に学び、リスニング能力を高める
これらの内容について、後々詳細に説明していきます。
3.2. リスニングパワーの構成要素
リスニングパワーを購入すると、以下の教材が届きます。1. リスニングパワーのCD2枚
2. リスニングパワーのテキスト1冊
3. ボキャパワーのCD2枚
4. ボキャパワーのテキスト1冊
5. ナチュラルスピード(リスニングパワーに含まれている。ダウンロード版あり)
6. スコット先生の英会話LIVE
7. レベッカ先生のエブリディ英会話
8. スコット先生の30日間メールサポート
公式HPには、上記の5~8に関しては先着特典と書いてありますが、おそらく今注文しても特典が貰えると思います。5,000円OFFの割引価格も先着特典と記載されているので、購入ページを一度表示してみて割引後の値段が表示されていれば、特典も貰えるはずです。※保証はできません。特典を重視する方は、購入前に問い合わせてみても良いかもしれません。
3.3. リスニングパワーのCDとテキスト
ここからは、先ほどの8種類の教材一つ一つについて詳しく見ていきます。まずは、教材の根幹となる部分です。難易度と目的別にリスニングパワーのCDが2枚付属しており、解説用のテキストが1冊ついています。・リスニングパワーCD1
22段階のレッスンを基に、様々な周波数の音声を聞きつつ、ネイティブ英語の発音に関する基本的なサウンドトレーニングを行います。収録時間合計58分95秒。
・リスニングパワーCD2
CD1のレッスンをさらに発展させて、音声のスピードがナチュラルスピードに近くなります。また、リスニングには重要な英語のリズムやトーンに関するレッスンも行います。CD1とは異なる内容のレッスンが23種類含まれています。収録時間合計51分33秒。
・リスニングパワーテキスト
リスニングパワーのCDに含まれているレッスンの一つ一つに対する説明が記述されているテキストです。「日本語英語を聞き、アメリカ英語と聞き比べてください」といった感じで、レッスン毎に注意すべきポイントが書かれています。ただし、テキストよりも公式HPに掲載されている説明文の方がかなり詳細に書かれているので、実際に勉強をする際は、テキストだけではなくて公式HPも同時に参考にした方が良いです。テキストのページ数は全部で45ページ。
上記の22種類(CD1)+23種類(CD2)のレッスン内容に関しては、公式HPの「商品紹介」という箇所に詳しく書いてありますので割愛します。レッスン内容を知れば教材のイメージがつきやすいと思いますので、購入を検討している人は必ずお読みください。また、リスニングパワーに関しては、「4. リスニングパワーの使い方」という章でさらに詳しくレビューします。
3.4. ボキャパワーのCDとテキスト
リスニングパワーに出現する843語の英単語に対して、単語の意味とその単語を使った英文がテキストに掲載されています。また、付属するCDにはその英文を読み上げる音声が収録されています。この教材のポイントは以下の2点です。・ネイティブが作成した自然な英文
日本で市販されている英語教材の大半は日本人が作成した英文が収録されています。日本人の英語講師が作成した英文は文法的には正しくても、使い方としては不自然なケースがあります。ボキャパワーに掲載されている英文はネイティブが作成しているため、日常的に使われる自然な英語表現が身につきます。
・2段階のスピーキング速度
ボキャパワーのCDに収録されている英文は続けて2回ずつ読まれます。1回目はネイティブが通常会話する時の「ナチュラルスピード」で音読され、2回目は英単語をはっきりと発音した「ゆっくりスピード」で音読されます。
テキストの最初の方には、ディクテーションやスラッシュリーディング、シャドーイングなど、英語学習法全般に関する解説も掲載されており、ボキャパワーをどのように活用すれば良いか詳しく書かれています。
3.5. ナチュラルスピード
30個の英文をネイティブスピーカー同士が通常話すレベルの速度で読み上げます。速いスピードの英文に聞き慣れることで、それよりも圧倒的に遅いTOEICや英検のリスニング問題が聞き取りやすくなります。かなり速いスピードで英文が発音されるため、一つ一つの単語に注目するよりは、音のつながり(リエゾン)などを意識して聞くと良いです。感覚的には、英検1級のリスニングパートよりも速いと思いますが、簡単な英単語を使った短文なので初心者でも問題ないです。トレーニング方法自体は悪くないのですが、英文の数が少ない点が減点です。3.6. スコット先生の英会話LIVE
ネイティブが英語で会話している音声を収録した教材です。20分程の会話に対して、その英文を収録したテキストとイディオム&単語の解説が付属します。教材用に収録した会話というよりは、ネイティブによるインタビューをそのまま音声にしたような感じで、かなりリアルに近い英語表現を学ぶことができます。「ネイティブはこのような表現を使うんだ」と初めて知ることが沢山ありましたが、これを聞くだけで実践的な英会話力が身につくとは考えにくく、あくまでネイティブが実際の会話で使う語彙や表現を学ぶことが目的になります。
3.7. レベッカ先生のエブリディ英会話
ネイティブ英語講師であるレベッカ先生による31回分の英会話レッスンです。教材は音声とPDFファイルで構成されています。1回のレッスンは5分程度で完結するように作られており、英語の音声を聞いた後に解説を読みます。英会話をする際に気になるポイントや英文法についてのレッスンがPDF100ページ程掲載されており、特典の中では一番勉強になりました。以下に、レッスンのテーマを一部抜粋します。
・「Hello」と「Hi」の使い分け
・「Good morning」はフォーマルな状況や上司に対しても使用する表現か
・「see you」と「good bye」の違い
・ 英語圏における礼儀正しい英語表現
3.8. スコット先生の30日間メールサポート
購入してから30日間限定でスコット先生に直接メールで質問できる特典です。ただし、スコット先生に対する質問は英語で行う必要があり、またリスニングパワーに関する質問に限られているため、ある程度英語力がある人でないと正直あまり役に立たないと思います。ちなみに、私は利用しませんでした。4. リスニングパワーの使い方
ここからは、教材の一番の中心である「リスニングパワー」について詳細にレビューしていきます。4.1. リスニング学習における周波数
最初の方に、リスニングパワーの主な狙いとして「英語の周波数に近い音を聞くことでリスニング能力を高める」ことを書きました。少し分かりにくいので、このことについて詳しく説明していきます。まず、周波数について簡単に説明します。私達が発する音は、空気中を振動となって相手に伝わります。その時の振動の数を周波数と呼び、単位は「Hz(ヘルツ)」が使われます。人間は地球上に存在する全ての音を聞き取ることができる訳ではなく、ヒトが聞き取れる音は周波数が20Hzから15,000Hz程度までと言われています。それ以外の周波数の音は「超音波」と呼ばれ、大部分の人間は聞くことができません。
年齢を重ねるごとに聞き取れる音の範囲が狭くなることは広く知られています。例えば、幼い頃は「モスキート音」と呼ばれる高周波の音を聞き取ることができますが、大人になると聞こえなくなります。このように、人間が聞き取れる周波数というのは、人によっても個人差があるし、年齢などが原因によって失われることもあるのです。
そして、英語と日本語では周波数が異なります。公式HPによると、日本語の最高周波数は1,500Hzであるのに対し、英語の最低周波数は2,000Hzとなっています。
そのため、普段日本で生活している分には全く聞くことがない周波数の音が英語では発せられることにより、リスニングが苦手な日本人が多いのです。そこで、リスニングパワーでは、ネイティブ英語の発音を聞くと共に、「キーン」や「ツーン」といった今まで聞いたことがないような高音も流れます。英語の周波数と同じ音を繰り返し聞いて慣れることで、リスニング力を高めることが目的なのです。
4.2. リスニングパワーを使ってみた感想
初めて聞くような音が流れるので最初はびっくりしましたが、徐々に慣れてきます。また、他の教材にはない新しい試みなので新鮮味と面白さはあります。さらに、レッスン自体は比較的簡単な英単語が使われるため、英語の初心者(TOEIC500点前後や英検2級レベル)でも何の問題もないはずです。しかし、私がリスニングパワーを使った感想としては、英語の周波数に近い音声を聞いたことによってリスニング力が上達したかは、少し懐疑的なところがあります。もしかしたら、周波数のトレーニングが功を奏しているのかもしれませんが、レッスンに沿って高音を聞いているだけなので、正直学んでいるという実感がありません。
「こういう事だったんだ」と理解しながら学習を進めていけば、学んだことが知識としてストックされていきますから、後になって教材の効果を認識できます。しかし、英語の周波数を聞いているだけでは、「理解する」という過程がないため、リスニングの効果は感じにくくなります。
4.3. リスニングパワーの活用方法
そのため、リスニングパワーの活用という観点では、周波数によるトレーニングではなく、ネイティブ英語の発音を学べるという点を意識した方が良いと思います。だからといって、周波数の部分が無駄になる訳ではなく、レッスンに沿って順番に練習を続けていけば自然と周波数のトレーニングも行うことができます。購入者のレビューを読んでも「聞き取れるようになった」という意見が多いので、一定の効果があることも確かだと思います。しかし、個人的にこの教材を購入して一番良かった内容といえば、ネイティブ英語の発音について、言語学者のプロが基礎から実践レベルまで教えてくれるという点になるでしょう。数あるレッスンの中では、アルファベット単独の発音からまぎらわしい英単語の発音まで、日本人による発音とネイティブによる発音を交互に比較しながら聞くことができます。それによって、ネイティブスピーカーが発する英語の音一つ一つを注意して聞いてみると、どのように発音しているのか理解することができます。普段のリスニングの勉強では数分間の英語を連続で聞くことはありますが、大抵の場合、意味を理解することに重点を置いています。しかし、リスニングパワーの場合には、ネイティブ英語の発音に焦点を絞っていますから、意味を理解するという前段階の「音を聞き取る」という能力を大きく向上させることができるのです。
個人的には、リスニングパワーを使用するのであれば、実感しにくい周波数うんぬんよりも、ネイティブ英語の発音を学ぶための教材として活用すべきです。そして、この教材を使って発音について一通り学び、リスニングをする上での土台を構築したら、その後はシャドーイングなどの発展的なトレーニングでさらにリスニング力を高めるという使い方が良いと思います。そうすれば、TOEICや英検のリスニング問題に関しても、正答率が大きく上がると思います。少なくても、私はTOEICで900点を取ったり、英検1級に合格するために非常に役に立ちました。
リスニングパワー自体は長期間聞くことによって効果が高まると言われています。そのため、シャドーイングの段階に入っても継続して少しずつ聞き続ければ、ネイティブ英語の発音に関して復習をすることができますので、おすすめの活用方法です。